全国一斉体験運用の日 … 杉並区ARCもイマジナスから参加です

2024年10月19日ー20日は、『 CQ Ham Redio 』誌が主催する『体験運用の日』です。誌の呼びかけで、各地のアマチュア無線局から体験運用の声が発せられます。
杉並区アマチュア無線クラブ(杉並ARC)JR1YNUは、19日に、いつもよりメニューを増やし、東京・杉並区高円寺の科学体験施設『IMAJINUS』科学団体活動室をお借りして参加しました。

今日は大掛かりなアンテナを3本揚げました。7MHz、50MHz、430MHzの3バンド運用を狙います。
主に近場の交信となる430MHzに加え、他バンドに比して安定した国内交信ができる7MHzでの体験交信を目論みました。

…… なんですが、50MHzは空いてまして、7MHzで体験運用CQへの応答を得るのは難しいです。体験者にとって、他県との交信はとてもインパクトのある体験となるので、国内交信の定番である7MHzバンドで体験運用が定着すると嬉しいのですが。

そのためにも、地道に体験運用を重ねて、アマチュア無線界においての定番化を図らねばと考えます。今回も、いつもの430MHzFMでの運用が中心となりました。


北海道や九州沖縄など、遠隔のアマチュア無線局と交信したら、ビックリするだろうなぁと思いつつも、近隣市区との交信に一所懸命な子どもの表情を見ると、まずは体験交信をヤッて良かったと思います。

そこへ、「モールスやりたい!」と、勢いよく入室してきた小学生がありました。
ジブリ映画「天空の城ラピュタ」で打電されていた「トトトツー」に触発されちゃったようです。
今日は、体験運用とは別に、電波は出ませんがモールス信号を打鍵できる体験コーナーを設けています。符号表と首っ引きで打鍵し、解読器に文字が表示されると歓声拍手です。
クリスマスプレゼントに、モールス解読器が欲しいとの事でした。将来が楽しみです。


モールス信号体験の他に、もう一つ新しい企画を試してみました。とりあえず「無線交信で積木を組もう!」と呼ぶことにした体験ゲームです。

体験者は2人。部屋の端と端に座った体験者の前には同じ積木が置かれています。片方は積み上げられています。体験者は、誰でも自由に交信ができる特定小電力トランシーバを持ち、その交信だけで同じ形に積み上げなければなりません。制限時間は5分。うまく同じ形に積めるでしょうか?
勝ち負けがあるわけではありませんが、「右だ、左だ」「えっ?」「斜めだ」「どっち?」かなりの集中力を要する楽しいゲームです。

これからもアマチュア無線の体験交信だけではなく、様々な無線通信イベントを工夫し、来場された皆さんに楽しんでもらいながら、社会を支える『電波』というものを知っていただきたいと考えています。

(文責:JN1VVR 小野)

IMAGINUS一周年 科学団体活動室 JR1YNU 特別企画 『地デジアンテナを作って テレビ放送を受信しよう!』

杉並区高円寺にある科学実験体験施設IMAGINUS。
普段は、施設の科学団体活動室をお借りして、アマチュア無線の体験運用を行っていますが、IMAGINUSの一周年記念をうけて、2024年10月06日に特別イベントを企画しました。


ストロー、段ボール、アルミホイルなどを材料にして、地デジテレビのアンテナを製作するというものです。屋根の上に建てられている、魚の骨のようなUHFのテレビアンテナと同じ働きをするアンテナです。上手くいったらお慰み。


でも、心配はご無用。このアンテナは、人工衛星を使ったアマチュア無線通信で著名な JO1LDY・黒木氏とJA1CPA・中村氏の企画設計によるものです。再現性はバッチリです。

簡単な材料ですが、下準備は大変です。弊部の JK1FUI・後藤氏が、頑張って用意してくれました。「残っちゃうかなぁ」と言いながら、27本分の材料が揃いました。


開場1時間前に JJ1XMW・松井氏、JJ1AHS・萩原氏が参集。それに、弊部と同様に科学団体活動室で活動をされている「子ども理科教育振興会」の土田氏が、助っ人に来てくださいました。実験指導のベテランの参加、本当にありがたく心強いです。

とて、後藤氏以外は、このアンテナを作るのは初めてです。ブリーフィングに続いて、スタッフの製作講習会を開催。「なるほど、なるほど」と感心しきり。


作業机を並べ、机上に部品を置いて、午前10時に開場。「あれぇ、廊下にお客さんが居ないぞぉ。」このイベントは午後1時までの3時間限定タイムトライアルです。廊下に出て呼び込みするも、不安がよぎります。
とっ、呼び込み効果があったのか、3-40分過ぎたあたりから親子連れの来室がはじまりました。


たちまち作業机は満席です。スタッフも、すぐに指導の要領をつかみ、次々と子どもたちはアンテナを完成させます。

出来上がったアンテナは、テレビに繋ぎます。アンテナのコネクタを繋いだとたん、真っ黒な画面に放送画面が映し出されると、子どもは勿論、親御さんからも声が上がります。


テレビからは長めの同軸ケーブルを引き出しています。手にしたアンテナを、あちこちに向けて、映り具合の変化を体感してもらい、目には見えない電波が番組を運んでいることを説明します。難しい理屈は抜きに、電波というエネルギーを意識してもらえれば、このイベントの狙いは達成です。


そして、終了予定の午後1時前に用意の27セットは、完全配布となりました。やったね!
ブッツケ本番のイベントでしたが、大成功となりました。イベント運営の気づき点も、多々得られました。当日のスタッフは勿論、ご支援をいただいた各局に、御礼申し上げます。

(文責:JN1VVR 小野)

<駅前QRV>東急世田谷線全駅一斉駅前QRVに参加

近年、アマチュア無線の楽しみ方の一つとして定着した『駅前QRV(QRV=無線通信を行うの意)』という運用方法があります。
屋外で無線運用をするなら、電波の飛びやすい高い場所か広い場所というのが、一般的なセオリーです。それを、あえて駅前のゴチャゴチャした処でやろうというのが駅前QRVです。
それじゃ電波が飛ばないでしょと思うのですが、ところがドッコイ、これが面白い事になるのです。駅前に林立するビルなどの構造物が電波を反射して、思わぬ処へ電波が飛んで交信ができるのです。また、運用場所が○○線△△駅前というように明確なので、駅を知る人からの応答も戴きやすいという効果もあります。

熱心な局も数多く活躍されていて、各駅前からCQ(=誰かの応答を求める意)が出されています。

さて、2024年9月22日(秋分の日)時々小雨が頬に触れる曇天のもと、東急世田谷線10駅に駅前QRVの愛好するアマチュア無線家が集まり、駅間の相互通信実験が行なわれました。杉並区アマチュア無線クラブ(JR1YNU)のコールサインで、小野(JN1VVR)も仲間に混ぜていただきました。

全線を見渡せる三軒茶屋駅の駅ビル「キャロットタワー」展望階に統制役が陣取り、三軒茶屋駅から下高井戸駅までの各駅にハンディ無線機を携えた各局が配置します。430Mhzと1200Mhzの二つの周波数で、統制局との交信や駅相互の交信を試みます。住宅街を縫うように走る世田谷線。絶妙な土地の高低もあって、すぐ近くでありながら意外と繋がらないことがあります。各局、停留所の端から端に移ったり、無線機を持上げたり下げたりと、アレヤコレヤの通信実験を楽しむこととなりました。仔細は、JM1QHI 蛯沢氏がご自身のブログに書かれいますので、お読みください。
http://memory-storage.sblo.jp/archives/202409-1.html

通常のCQを出したり、地元局に松陰神社をご案内いただくなどの計画もありましたが、予定の実験で時間一杯。三茶に再集結し、各局の健闘を称えるべく賑やかに居酒屋へと繰り出しました。

(文責:JN1VVR 小野)