【報告】南相馬市・杉並区合同 アマチュア無線体験交信会(2023年3月11日)

福島県南相馬市と杉並区は、災害援助協定を結んでいます。どちらかと言えば、都市部の災害時に福島の美味い米を運んでネ、的な位置づけだったように思われます。

ところが、あの日、東日本を襲った震災は南相馬市にも大きな被害をもたらしました。杉並区の災害備蓄倉庫にあった物資を運び出したことを覚えています。

あれから12年。災害支援だけでなく様々な住民交流が、南相馬市と杉並区の絆を確固なものとしてきました。

そして今年も巡ってきた3.11。その日、南相馬市の市民団体『南相馬を無線の聖地にする会(略称:MMS)』が、アマチュア無線体験局を運用するとの情報が飛び込んできました。南相馬市からのCQに、杉並区が応答しないで何としましょうや!杉並区を冠する杉並区アマチュア無線クラブは、応答準備に取り掛かりました。

運用場所は?杉並区は阿佐谷にある区民センター。ここの4階屋上が解放公園になっています。20mのロングワイヤーが張れます!さらにグーグルマップを辿ると、南相馬市に対峙しています。

Googleマップにて作成・引用

さらに、リグは?電源は?同軸は?MMSとのスケジュールは?区民への周知は?…..色々と勘案が出てきますが、それなりに対応できました。

そして迎えた当日。風が吹いたら、屋上公園のアンテナ架設は見送りでした。でも大丈夫。穏やかな陽気に恵まれました。

リグやら配線やらパンフレットやらで、まだジタバタしているうちに、アマチュア無線に好奇心一杯のお父さんが親子連れで一番乗り。そして老齢のご夫婦などなど、体験者が続けて来場いただきました。スタートです!

7MHz/SSBでの、南相馬市と交信は絶好調です。RS59++の勢い。南相馬市とのQSO体験者が混み合ってしまった時のサブ体験局として430FMの体験シャックも用意しましたが、こちらも快調です。

体験局というと、何気に体験者は子どものイメージって有るじゃないですか。ところがドッコイ、大人の方の体験が多かったですネ。中には、震災の際には東北で支援活動に努められたという女性は、涙ながらにQSOされていました。

もちろん、キッズも賑わいました。今回の運用準備の中で知り合えました『トモダチプロジェクト』(https://www.tomopro37nouta.com/ )。南相馬市と杉並区の其々にダンスチームを持って活動する、ミュージックダンスチームです。出演ステージを終えて、駆け付けてくれました。南相馬組と杉並組、それぞれのチームがアマチュア無線を介して大盛り上がりです。

アマチュア無線について矢継早の質問をされる方。熱心に説明を聞いて、この社会を無線通信が支えているんですネ、と言ってくださった方。無線をはじめ、科学技術に興味を持っていただくと共に、南相馬市と杉並区の市民交流を促進する、一助になるとが出来たかと思っております。これがレギュラーイベントになったら嬉しいです。

(2023-03-21公開 文責:JN1VVR)

(以下、2023-04-03 追記)

「ハムのラジオ」(@hams_radio)第535回 (2023/4/2)の放送の冒頭で、南相馬・杉並区合同体験交信会についてご紹介いただきました。ありがとうございました。 https://hamsradio.net/ham/?p=11079